現在、日本の地域社会において、お墓の継承や維持が難しくなっています。
核家族化や単身世帯の増加、少子化による影響で忘れられたお墓も多数発生しているのが現状なのです。
あの著名なビートルズのジョージ・ハリスンさんも、ガンジス河に遺灰を散骨してほしいという本人の遺言で、遺灰を散骨されたことは有名です。
海外では、散骨を選択することに抵抗感はありません。
日本でも、たくさんの著名な方が自然葬を選択しており、今後、日本における社会状況や個人の趣向など、様々な理由から自然葬を選択する方が増えていくことが予想されています。
当委員会では、地域社会の状況変化による現代のお墓事情の中で、自然に還るという、自然葬という選択肢が今より普及されることで、自然葬を選択する方々が、自己肯定感を持ち、晴れやかな気持ちで 最後を迎えられるような環境を作って行ければと考えております。
自然葬の中でも、特に散骨は、この20年の間で、認知度が80%を超えています。
具体的な統計としても、散骨希望者は、1990年の「墓地に関する世論調査」(総理府)で9%といわれていたものが、約10年後、2001年の「葬儀にかかわる費用等調査報告書」(東京都生活文化局)では、25.4%という数値統計が出ており、さらに、その10年後の2010年の第一生命経済研究所が調査を行った『お墓のゆくえ-継承問題と新しいお墓のあり方-』では、散骨を希望する方が『28.8%』、年代別に分けると、65歳以下では三割以上の方が、散骨を望んでいるという結果も出てきています。
このような統計からもわかるように、今後も核家族化や単身世帯数の増加などの社会的理由から、ますます自然葬を望む方が増加するとことは間違いありません。
昨年亡くなられた日本の有名な俳優である高倉健さんは、自然葬を希望されていたことで有名です。
高倉健さんは、ご自身でしたためた遺書の中で、「戒名なし、葬式なし、散骨を希望する」という意向を示されました。
その他、「釣りバカ日誌」で有名な三國連太郎さんも散骨を希望されていました。落語家の立川談志さんも散骨を希望され、実際にハワイで遺族の手により散骨が行われています。また、漫才師の横山やすしさんは、本人の意思により競艇場で散骨が行われました。俳優で海を愛する石原裕次郎さんは、お兄さんが散骨したいと願い出ましたが許可されず、国の散骨に対する見解が変わった後に、一部の遺骨を湘南の海へ散骨されたそうです。また、勝新太郎さんは、ハワイのワイキキ沖に散骨されたそうです。海外では、相対性理論で有名なアインシュタインが遺族によりデラウィア沖へ散骨されました。
このように、著名な方でも自然葬を希望される方が増えておりますが、日本全体で見ても、身内のいない方や家族がいる方に区分けなく、自分の死後を迎えた際、誰にも迷惑を掛けないように、自分らしい葬送をしたいという方が増えています。
自然葬を望まれる方が増えている関係から、自然葬を提供する寺院や墓苑、フリーランスの自然葬サービス提供会社などが続々と自然葬サービスの導入や参入をしています。
その中には、実態のないような会社や、いたずらに利益を貪るような会社の存在もあり、注意が必要です。
これから益々需要の高まる自然葬において、自社のサービスについてだけではなく、様々な種類や手法など、地域の枠に収まることなく広域に自然葬を案内出来る存在が必要となります。
そうした存在は、公平な視点で自然葬を案内出来る専門家としての知見や知識、そして何より依頼者に配慮し寄り添う気持ちを持った人材である必要があります。
しかし、現在の日本では、公平な視点で自然葬を案内出来る専門家がいる訳ではありません。自然葬に対して不安に思う方に、きちっと答えられている人がほとんど存在しないのです。
また、自分らしい葬送をしたい、自分らしい終焉を迎えたいという要望が増えた原因として、経済的な理由やお墓の料金体系や保守に関して不透明でわからないといった声も少なからずあり、自然葬を選択される方はますます増加傾向にあります。
後悔しない終活をしたいと考える方は多く、自分の要望を叶えるために、相談する人が欲しいという声も多く伺います。
相続や保険、医療や介護、法務に携わる方でも、自然葬をアドバイスできるようになることで、誰かに必要とされる人材となることができます。
今後は、自然葬の爆発的な需要の増加に伴い、必ずそのような業務や専門家が必要となり、一つの職業としても、求められてくるのは必然であろうかと思います。
私たちは、そうした自然葬に関わる専門家を養成することを目的としており、専門家の輩出により後悔のない、明るい葬送を迎えられる世の中を目指しています。
日本では古代より、遺体や遺灰を海や山に還すことが主流でした。
日本で確認される最も古い散骨は、弥生時代まで遡ります。
2014年には、長崎県大村市の『竹松遺跡』で弥生時代後期の墳墓群から火葬した人骨を砕いて撒いた痕跡が見つかり、散骨が古くから行われたことがわかる根拠となりました。
また、平安時代には、淳和天皇(786年-840年)が、「骨を砕いて粉と為し、之を山中に散らすべし」と遺言を残し、実際に遺骨が京都府の山中で散骨されたこともわかっているほか、「それがし閉眼せば、加茂川に入れてうほ(魚)にあたうべし」と言い残した浄土真宗開祖の親鸞(1173年-1262年)等の例からも、遺灰を山や川に撒いていた日本人の姿が想像できます。
これらのことからも、自身が亡くなった後には海や山へ還ることを望む人々が、古くから居たということが、ご理解頂けるのではないでしょうか。
欧米での自然葬の歴史は長く、始まりは大航海時代以前にまで遡ります。
アメリカ大陸を発見したコロンブスらの航海中に、怪我や疫病などにより亡くなった方を、船内に収容したまま帰国まで保存することが難したったために、それぞれの場所で、海洋葬をしていたのが始まりです。
現在でも、米国では種々の規則はあるものの、海洋葬が許されています。
葬送のルールに従えば誰でも水葬をすることが出来るという仕組みです。
遺体の沈み方や浮かんでこない方法、海洋葬をする際の海岸からの距離など、チェック自体は厳しいそうですが、需要が伸び続けているそうです。
アメリカでの年間死亡者数は約230万人で、その中でも約55万人が散骨を行っていると言われています。
日本では、まだ1%程度の自然葬の実施者に対して、アメリカでは亡くなった方の約24%の方が散骨を行っていることになります。こうした数字を見ても、必ず将来的に日本でも自然葬を選択される方が増えることは言うまでもありません。
日本では年間死亡者数は平成25年の調査で約127万人でした。その中でも、実際に散骨や樹木葬などを葬送方法として選ぶ人は年間約5万人との見方があります。
特に市区町村で募集した公募の樹木葬墓地の場合、費用も安価で公募という安心できるという理由から、申込み数は募集枠の10倍、20倍という数字があっという間に来てしまうという現状もあり、公募ではない樹木葬であっても、募集すると定員になるまで、すぐに埋まってしまう等、自然葬を取り巻く状況は活況を呈しています。
現在の自然葬の需要と過去の需要を比べてみると、1998年の時点で葬送の自由を進める会が実施した自然葬の回数が200名程度であったことから、他団体や他業者で行われた回数を合わせて1,000名程度としても、現在17年前に比べての需要は50倍以上となっていることが予測されます。
今後は単身世帯数の増加による影響で、お墓を継承出来ない事による理由から、飛躍的に需要の高まることが予想されており、5年後には自然葬を希望する方が30万人に達するのではないかという見方もあります。
また、葬儀はせずに直接火葬のみを行う「直葬」を選ばれる方も増えています。直葬に限らず、現在の葬送方法としては、低価格路線化が進んでおり、自然葬が比較的低価格で実施出来る面からも、需要の高まりが予想できます。
さらに、自然葬は既存でよくある葬送方法とは違い、個性的な葬送を選択することも可能であるため、自分らしくありたい、自分なりの最後を迎えたいという希望を持つ方にも選ばれていることから、ますます需要が高まり、市場の活性化や新たな職域の発生することも期待出来ます。
自然葬の魅力、歴史や背景といった知識や、自然葬をアドバイスすることに関する知識と技能を身に付けることを目的とした資格です。
自然葬アドバイザーの資格を得るには、当協会が実施する認定講座を受講し、認定試験に合格することが必要です。
現在、自分や家族の葬儀やお墓を考える際、自然葬も選択肢として考える方が大変多くなっています。
自然葬という言葉は聞いたことがあっても、実際にどのようなものかを理解しておらず、同時に不安を抱えているという方が大変多く見受けられます。
そのような方は「どのような人に聞けば良いのか」、「この人は本当に信頼のおける人なのか」等、常に不安や疑念を抱いているのです。
自然葬のことを知りたい、自然葬を選びたいという方に対して、自然葬アドバイザーの活躍の場は、多くのフィールドがあります。
例えば、福祉施設や病院、看護、介護の分野で、ケアマネージャーの活動の中で、官公庁での受け答えの際、民生委員の活動の際、公共団体に所属し活動する際、NPO団体やボランティア団体の活動で、ボランティア活動の一環として、自分が自然葬で迷わないために、家族や地域の周りの方のために等、これから益々高まり続ける需要の中で、自然葬の知識やアドバイザーとしてのスキルを得ることで、自然葬アドバイザーとして登録され、様々な場所で相談や依頼を引き受けることが出来るため、高齢者に関わる様々な業界の中で、引き手あまたの人材として重宝されることでしょう
当委員会では、福祉施設と連携する「暮らしサポートひだまり協議会」や、エンディングノートの支援を行う「エンディングノートプランナー養成協会」および、遺品整理士の育成を行い、官公庁や各関連団体と様々な連携を結ぶ「遺品整理士認定協会」とも連携し、自然葬アドバイザーの就職支援を行って参ります。「暮らしサポートひだまり協議会」本部では、就職相談窓口を設置し、専門の相談員が在籍しており、自然葬アドバイザーの就職相談を承ります。
自然葬は近い将来、必ず開業や副業としても、
収入確保の出来る時代が到来します!
上田 裕文 氏北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院 准教授 樹木葬をはじめ、自然葬が普及する中で、人々のニーズも、当初の葬送の自由や個人化を求める状況から、遺族に負担や迷惑をかけないといった理由で樹木葬を選ぶ傾向へと変わってきています。 |
自然葬は、毎年100回、200人程度の方が自然に還っており、現在では自然葬の認知度(散骨)も8割以上にまで増え、様々な事情でお考えの方が増えてきております。
「自分の最後は、自然に還りたい」という想いや希望がある方、ご相談は当委員会までお寄せください。